Heaven And Hell 東京国際フォーラム2007年10月29日 03時22分53秒

少し時間が経ってしまったが、22日のHeaven And Hellの東京国際フォーラム公演に行ってきた。

私の記憶が確かならば、この手のライブでは、メタルTシャツが8割、そのうち3割はレザー装備のはずだった。そこで、革ジャン・革パン・DioのHoly DiverのTシャツ、という、一般的にはかなり痛い格好で会場へ向かったのだが、いざ会場に着くと、会場を間違えたかと思うほど、レザーもメタTもいなかった。平日ということもあったのだろうが、メタTよりスーツ姿の方が多かったのではないかと思われるほど。やはり、気合の入った人はLOUD PARKの方に行ったのだろうか…。

前座はTrivium。
彼らなりに頑張っていたのだろうが、ノイズにしか聴こえなかった、というのが正直な印象。一応、最新作の"The Crusade"も所有しているのだが、あまり聴いていなかったので、一曲も識別できなかった。

いよいよHeaven And Hellの登場。
リリース済みのライブDVDでは、オープニングは"E5150"から"After All (The Dead)"という、謎の流れになっていたが、今回は"E5150"から"Mob Rules"という、まっとうな流れになっていた。
しかしながら、"Mob Rules"と、次の"Children Of The Sea"では、ロニーの声がまったく出ておらず、サウンドのバランスも悪かった。3曲目以降、尻上がりに改善されていっただけに、名曲の2曲が悪いコンディションで演奏されたのはもったいなかった。こうしてみると、DVDのように、After Allあたりでウォーミングアップする(?)というのは良い構成だったのかもしれない。

オープニングからしばらくサウンドが悪いままだったが、途中のヴィニーの長いドラムソロの後、かなり改善された。ロニーのヴォーカルも力強さを取り戻し、終盤の"Die Young"や"Heaven And Hell"では、会場も合唱&メロイックサインでヒートした。やはり、あれだけの実力者が集結し、名曲群を演奏すれば良いライブにならないはずがない。

セットリストに関しては、選曲は順当だったものの、ライブDVDと比べて曲数が少なかった。Triviumもいたので仕方ない部分はあるが、"Lady Evil"あたりはぜひ生で聴きたかった。
"The Dio Years"の新曲は1曲も演奏されなかった。3曲とも結構好きなので、1曲くらいは演奏してもらいたかったが、まあ、"Heaven And Hell"や"Mob Rules"の曲に比べて優先度が落ちるのは仕方ないだろう。

もう一点、不満というほどではないのだが、Dioではよくやっている、ロニーがマイクスタンドをクルクル回すパフォーマンスが今回は観られなかった。あれは非常に鮮やかな手並みで好きなのだが、今回は、歌っている場面以外ではトニーやギーザーに見せ場を譲る、ということなのだろうか。

全体的な印象として、序盤のパフォーマンス内容や曲数の少なさ等、若干の不満はあったが、終盤の素晴らしさで帳消しにした感じだ。ロニー先生を生で観たのは2005年のZepp Tokyo以来だったが、正直緩やかに衰えてきている印象は否めない。しかし、メタル界の生ける伝説、人間世界遺産とも言うべき彼の生のパフォーマンスを観る機会は、もうそれほど多くは残されていないだろう。そんな中で、伝説的なSabbath編成でのライブを生で観られたことは、メタル者として幸せな体験であった。

次は、無謀な願いとは知りつつ、ロニー&リッチーのRainbowと、オジーSabbathの来日を期待したい。

DIO "We Rock (DVD)" 感想2006年01月15日 08時07分46秒

DIOの全盛期であるヴィヴィアン・キャンベル在籍時のLIVE DVDです。
20年以上前のLIVEですが、まず、LIVEのスケールがデカい!!
アリーナクラスの会場が満員になっていて、ステージにはエジプトをイメージした大きなセットが組まれ、レーザー光線が飛び交っています。有名なドラゴンのセットは作る前のようですが、代わりに大きな蛇?のセットが登場します。炎や花火もふんだんに使われており、大会場にふさわしいステージになっています。これを見ると、今年の「BURRN!」誌の2月号で、伊藤政則氏が「(DIOやSCORPIONSは)元々エンターテインメントの最高峰にいた」と語っているのも誇張ではないことがわかります。
私は昨年DIOの来日LIVEを観ましたが、会場はZEPP TOKYOでした。DVD時と同等のLIVEを今の日本で行うとすれば、最低限、横浜アリーナかさいたまSAくらいの会場が必要でしょう。ZEPPと横アリの差を考えると、隔世の感があります。

ロニー先生は元々老け顔なので、20年前でも見た目はそれほど若く見えません。しかし、よくよく見ると、ステップが軽やかだったり、得意のマイクスタンドをクルクル回すアクションの回数が多かったり、やはり20年分の若さが見える部分もあります。
見た目以上に違うのは、ヴォーカルです。ロニー先生は今でもハードロック界トップクラスの実力の持ち主ではありますが、やはり高音部は圧倒的に昔の方が出ています。最近は、出なくなった高音部のクリーンヴォイスを、渋みが出てパワフルになった中域でカバーしている感じであり、大雑把に言えば、20年前はRainbow向き、今はBlack Sabbath向きの歌唱と言えます。どちらにも良さはありますが、個人的にはやはり昔の方が好みです。

総括として、DIO、そしてHM/HRが元気だった時代の空気を感じられる一枚です。画質はビデオ並みですが、DIOや80年代メタルに関心があれば、見ておいて損は無いと思います。

MOTLEY CRUE さいたまスーパーアリーナ:11/192005年11月19日 23時35分56秒

前座はBuckcherry。CRUEのステージを覆っている幕の前で狭いスペースでのプレイで、狭いと言ってもクラブのステージくらいの広さはあるのですが、いかにも前座な扱いで、少々気の毒でした。

CRUEのステージが始まる頃には、客席は9割方埋まっていました。
最初に日本ツアーが発表された時は、SSA 2Daysは無謀とも思えただけに、意外なほどの集客力にバンドの底力を見た気がしました。

セットリストはベスト盤的な内容で、定番曲はほぼプレイしました。今回は、オリジナルメンバーでの久々のツアーで、ベスト盤リリース後のツアーでもあるわけですから、定番曲中心のセットリストは正解でしょう。

定番曲で会場が盛り上がるのは当然として、他のパフォーマンスで一番会場が沸いたのは、トミーがワイヤー吊りで空を飛び、空中2箇所に設置されたドラムセットを移動しながらプレイするドラムソロです。さすがトミー、といったところで、同じことをやって絵になるドラマーは、世界に何人もいないでしょう。
反対に、ミックのギターソロは動きが無い割に長く、元々ギターソロタイムの需要があるタイプのギタリストでもないだけに、蛇足の感がありました。

肝心のバンドのプレイの面では、ギターが引っ込み気味でサウンドのバランスがあまり良くありませんでした。この点は、会場の音響の影響もあるのかも知れません。
ヴィンスのヴォーカルも、声自体はまずまず出ていたものの、歌メロがデタラメな部分が多く、曲が始まってしばらく、何の曲だかわからないこともありました。後半は良くなってきていたので、単なる調整不足でしょうか。

プレイには100点は付けられませんでしたが、ステージの見所としては、名曲揃いのセットリスト、空飛ぶトミー、ニッキーのベース破壊、派手な火柱・花火、エロっぽい女性ダンサー等、満載であり、音楽だけでなくステージパフォーマンス全体を売りにするKISSタイプのバンドとして、完成の域に達していると感じました。

CDもどき2005年09月04日 16時15分11秒

今日CD屋に行ったらストーンズの新譜がありました。
手に取ると"disc"マークが無い。CCCD系のCDもどきでリリースされていたのでした。
ストーンズの新譜に対する興味と、CDもどきに対する反感を比較した結果、後者が勝ったため、買わずに帰りました。

CCCDのハシリだったavexがCCCD採用を取りやめて以来、CCCDは確実にフェードアウトの方向に向かっていると思っていましたが、大手の東芝EMIがこの流れに逆行する動きを見せています。やっぱりコピーフリーな普通のCDには戻りたくないというのが本音なのでしょう。
「新しい技術を使っているのでCCCDじゃないですよ。CDでもないですけど。」という主張のようですが、PCのドライブとかCDラジカセとか、壊れてもかまわないようなプレイヤーでしか聴かないならともかく、そこそこのプレイヤーに得体の知れないCDもどきを入れる気にはなりません。消費者としては、プレイヤーを選ぶような使い勝手の悪い代物に対して、普通のCDと同じ値段を付けられては、まったく買う気がおきません。
私も、何枚かCCCDを買ったことはあります。Iron Maidenの"Dance of Death"は買ってしまいました。Maidenの新譜に対する興味が、CCCDに対する反感を上回ったからです。逆に言って、Maiden級で無い限りCDもどきは買いません。今まで、「ちょっと興味あるけどCCCDだからパス」ということが何回もありました。このような考え方の人も少なくないと思うのですが、レコード会社から見て、販売機会の損失として認識できないほど少数意見なのでしょうか?

「コピー防止機能の無いCDには不満がある。よってウチは今後SACDかDVDAしか出さない!!」というくらいの気概のあるレコード会社があれば、それはそれで立派だと思いますが、「CDには不満があるけど、CDユーザをターゲットにしたい。SACD市場を開拓するのも面倒だし。」という姿勢でまがいものを販売するのはケシカランと思います。

結論としては以下。レコード会社さん、せめて(2)くらいはお願いします。
 (1) CCCDのようなCDもどきを販売するのは止めてください!!
 (2) どうしてもCDもどきで出すのなら、SACDまたはDVDAも同時リリースしてください!!

blog開設&タイトルについて2005年09月03日 08時58分56秒

まずはblogを始めてみました。 blogのタイトルは「ZATO's Electric Eye」 「Electric Eye」はJudas Priestの名曲から取っています。

"Screaming for Vengeance"アルバムの頭の2曲、"The Hellion - Electric Eye"を聴いてもピンとこない人は、Judas Priestをはじめとする正統派HMに対する耐性が低いと言っても過言ではないでしょう。かなりの率で、他のJPの曲や、Iron Maiden等についてもお気に召さないと思われます。

大体、耐性の無いジャンルの曲を聴くと、「どの曲も、どの部分も同じに聴こえる。」という感想になりがちです。 私もデス系はほとんどが同じ曲に聴こえますし、演歌も大半の曲は同じようなものに聴こえます。 苦手なジャンルを聴き続けることによって耐性が付く場合もありますが、嫌いな曲を聴くヒマがあったら好きな曲を聴いた方が良いと考えるのが普通でしょうから、「聴かず嫌い」を超えて「聴いても嫌い」なジャンルの克服は中々難しいものと思われます。